「あ、あの…」とうろうろするうちにオリヴィエの馬車に押し込まれ、夢の館まで来てしまった。 　　どうしましょう…わたくしはルヴァ様にお逢いしたいのに… 「何してんの。さ、遠慮はいらないから入って」 「は、はい…」 勢いに飲まれて、導かれるまま館の中に足を踏み入れる。 客間には既にオスカーが来ていた。 「遅かったな。何かあったのか」 「うん、ルヴァが留守でね。待ってても帰ってこないから、後で断ることにして持ってきちゃったんだ。ついでにリュミちゃん拉致してきたから」 「あぁ、それはいいな」 オスカーはリュミエールに笑顔とウィンクを送った。 「俺の方はすんなりいったぜ。ほら」 オスカーはテーブルの上の何本かのボトルを示した。 「オスカー、あなたもどこかからこれを…？」 「あぁ。おれの担当はマルセルんとこのセラーさ。カティス秘蔵の逸品がごろごろしてるぜ」 「本当に、あなた方は…」 「嘆かない、嘆かない。ほら、そこ座って。はい、グラス持って。これでリュミちゃんも立派な共犯だからね〜」 オリヴィエがリュミエールに持たせたグラスに酒を注ぐ。 「あ、あの…」 「なァに？　ごちゃごちゃ言ってないで、飲んで飲んで」 「さぁ、それが空いたら、俺が注いでやろう」 「「オスカー、こっちにもちょうだいよ」 「あぁ、そら…」 いつの間にか何本かのボトルが空になっていた。 もともと気の置けない同期たちのこと、飲んだり話したり笑ったり、座は大いに盛り上がった。 リュミエールがふと我に返ると、既に時間は夜中に近付いていた。 　　こんなことしていないで、ルヴァ様を探しにいかなくては… リュミエールはそっと立ち上がった。

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