「あの、オリヴィエ…」 そのまま館の外へ連れていかれそうになるところを、リュミエールはやんわりと抗いながら言った。 「なァに、リュミちゃん」 「あの、わたくしはやはりここでルヴァ様を待っています。あなたが持ち出したお酒のことは、わたくしからルヴァ様に申し上げておきますから…」 「そぉ？　うーん、久し振りに３人で飲むのもいいなと思ったんだけどなぁ」 オリヴィエは残念そうにリュミエールを見た」 「じゃ、まぁ、ルヴァによろしくね」 「えぇ」 オリヴィエを見送って、リュミエールは小さくため息をついた。 　　ルヴァ様はどこに行ってしまわれたのでしょう… 　　ここで待っていないで、探しに行った方がいいでしょうか… 迷いながら、テラスに出ると、外はいつの間にか夜の気配を濃くしていて、降るような星空が広がっていた。 リュミエールはしばらくそこに佇んで、星空を眺めていた。 　　おや…？ 気が付くと、庭に誰かの気配がする。 こちらに近付いてくる微かなサクリアの存在が感じられる。 リュミエールは闇に向かって目を凝らした…

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