浴室はハーブの香りの蒸気に満ちていた。 「こちらへ…」 リュミエールは恥じらうルヴァの手を引いて、浴槽から溢れた湯が流れる床に座らせる。 ルヴァの頬に軽く口付けると、掌にバスソープを取って泡立てる。 ハーブをふんだんに使った、リュミエール手作りのバスソープが爽やかな甘い香りを放つ。 「さぁ、ルヴァ様、洗って差し上げましょうね…」 リュミエールは楽しそうにルヴァの身体に掌を這わせる。 「あの…私は自分で…あっ…」 「大丈夫ですよ、ルヴァ様。わたくしに任せてください。ちゃんと身体中きれいにして差し上げますから。ほら、ここも…ここも…」 「あっ…や…んっ…」 リュミエールの指先が、ルヴァの敏感なところを次々とたどってゆく。 ルヴァは切なそうに身を震わせる。 自分の身を抱き締めて快感に耐えようとしているルヴァの腕を、リュミエールは優しくほどく。 「ルヴァ様、我慢しないで…声を聞かせてください…」 「リュミエール…あ…あぁっ…」 浴室は声が響きやすい。 思わず上げた声がひどく響いて、ルヴァをいっそう煽ってゆく。 リュミエールの手は休まずにルヴァを攻め立てる。 「ルヴァ様…」 「リュミエール…リュミエールっ…あっ…やぁ…」 「ルヴァ様…ルヴァ様…」 「あっ…あぁぁっ…あぁぁー！！」 リュミエールの手の中で、ルヴァは白く弾けた。 「ルヴァ様、可愛い」 軽く口付けて、リュミエールはシャワーで丹念にルヴァの身体の泡を荒い流した。 くったりと力の抜けたルヴァを抱き上げて、浴槽に身を浸す。 ハーブの香りの湯が、豊富に流れ込み、溢れ出てゆく。 その中で、２人は抱き合って湯の温かさを感じていた。 「気持ちいい…」 「えぇ…」 ゆったりとした気持ちよさに包まれて、幸せなひとときだった。 ルヴァが伸び上がって、リュミエールに口付ける。 そっと口付けて、ルヴァは真っ赤になってうつむいた。 めったにないことに、リュミエールは一瞬茫然とし、次の瞬間、満面の笑みを浮かべた。 ルヴァをぎゅっと抱き締める。 「ルヴァ様…嬉しいです」 「あ…あの…つい…」 「最高のプレゼントです」 「あ…」 ルヴァはこれ以上出来ないほどに真っ赤になってリュミエールから離れようとした。 リュミエールはしっかりと抱き寄せる。 「ルヴァ様…今夜は寝かせて差し上げませんから…覚悟をなさってくださいね」 「あの…」 おずおずとルヴァは顔を上げた。 リュミエールがルヴァを見詰めて微笑んでいる。 その顔は、この上もなく美しかった。