２人掛けのソファに並んで、リュミエールはルヴァを抱き寄せて深く口付ける。 甘い口付けが何度も何度も交わされる。 ルヴァを探してさまよった時間を取り戻そうとでもいうように、リュミエールは強くルヴァを抱き締めていた。 「これは…」 ルヴァのくれた、可愛いラッピングの包みをほどいて、リュミエールは微笑を浮かべる。 箱の中にはチョコレートが並んでいた。 少し不揃いな形が、手作りであることを物語っている。 「チョコレートですね」 「えぇ…。あの…今日は…もう昨日になってしまいましたけれど…大切な人に思いを打ち明けるという日…というのは元々はある星の伝説なんですけど…最近主星でも知られてきてますから、あなたもご存じかもしれませんね」 「えぇ…」 「この日にはチョコレートを贈ることが、いつの間にか主流になったようですので…」 ルヴァは恥じらうように頬を染めてリュミエールを見た。 「あの…あなたに…その…贈りたくって…あの…うまく出来なかったんですけど…」 「ありがとうございます。早速いただいてもよろしいですか」 「えぇ…どうぞ…」 リュミエールは一つ摘まんで口元に運ぶ。 ルヴァは心配そうにリュミエールの表情を伺う。 リュミエールが「美味しいです」とにっこりと笑うのを見て、ルヴァも嬉しそうに微笑んだ。 「よかった…」 安堵の息をつくルヴァを、リュミエールは愛しくてたまらないように見詰める。 「本当に美味しいですよ。ルヴァ様もいかがですか」 「あ…いぇ、私は…」 逡巡するルヴァを引き寄せると、リュミエールはチョコレートを一つ摘まんで自分の口に入れ、そのままルヴァに口付けた。 柔らかく温められたチョコレートが、口移しに送られてくる。 ルヴァの口の中に甘さが広がってゆく。 口付けられたままで、噛むことも舐めることも出来ないまま、口の中でゆっくりと融けてゆく甘い塊… 口付けの甘さとチョコレートの甘さが、ルヴァを追い上げてゆく。 飲み込めなかったチョコレートが唇の端から流れ出る… いつの間にか箱の中のチョコレートは空になっていた。 はだけられたルヴァの首筋から胸元にかけて、チョコレートが流れて、それを舐め取られた跡がいくつも残っていた。 リュミエールがクスッと笑う。 「汚れてしまいましたね。洗って差し上げましょう…」 耳元でささやかれて、ルヴァが身悶える。