馬車が王立図書館に着いた。 もしや、と思ったが、車寄せにはルヴァの馬車の姿はなかった。 　　　ここにはいらっしゃらないようですね… 近付いてみると、図書館は既に常夜灯のみとなり、正面扉は閉ざされていた。 念の為にと回ってみた通用口も施錠されている。 図書館はすっかり無人であった。 リュミエールはがっかりして馬車に戻った。 　　　ルヴァ様、いったいどこにいらっしゃいますか… 迷いながら次の行く先を御者に告げる。 馬車が王立研究院に着いた。 ここにもルヴァの馬車は見当たらない。 　　　こちらにもいらっしゃらないのでしょうか… 夜になっても研究院には灯りが点いている。 リュミエールは、ひょっとしたら…と研究院の中へ入った。 しかし、残っている研究員に訊ねてみても、ルヴァは立ち寄っていないという答えしか得られなかった。 礼を言って研究院を後にする。 　　　ルヴァ様…ここでもないとすると…どこにいらっしゃるのでしょう… さて、次はどこを探したらいいのだろう…。 迷いながら、次の行き先を御者に告げる。 馬車は聖殿に戻った。 夜警の兵士は、ルヴァの姿は見かけなかったと答えた。 　　　もしかしたらと思いましたが… 　　　こちらにもいらっしゃらないのですね… でも…とリュミエールは聖殿の中を駆け回る。 地の執務室にも、水の執務室にも、星の間にも…聖殿のどこにもルヴァはいなかった。 　　　やはり…いらっしゃらない… 後はどこを探せばいいのだろう… 馬車に乗り込みながら、リュミエールは考える。 森の湖にもルヴァはいなかった。 散策路の小径にもルヴァはいなかった。 他の守護聖の館にもルヴァは訪れていなかった。 ルヴァの行きそうなところは全部探したように思うが、それでもルヴァは見つからなかった。 　　　…どうすればいいのでしょう… リュミエールは途方にくれる。

どうしますか？ 探し続ける あきらめて帰る