Q2


「あ〜腹が減ったぜ！」

「そうですか、ではいっぱい召し上がってくださいね」

「おう！」

「ルヴァ様、すみません…」

「いいんですよ。あなた方も遠慮なくどうぞ」

「ありがとうございます」

森からの帰り道、釣り道具を返しにきた３人は、そのまま地の館のディナーに参加することになった。
久し振りだから、とルヴァが誘ったのだが、あまり釣果がなくて空腹である、とゼフェルが訴えたからでもあった。

「すみません、リュミエール様…」

ゼフェルとランディが釣りの様子をルヴァに話しているのを見ながら、マルセルがこっそり謝る。
リュミエールは「気になさらないでください」と微笑んだ。

「もうすぐオリヴィエもやってくることになっていますから」

「そうなんですか

マルセルは安心したように笑顔を見せる。


ほどなくオリヴィエが華やかに登場し、賑やかにディナーが始まった。
少年たちの今日の活躍譚が語られたり、オリヴィエが珍しく苦労したという視察の話を披露したり、様々な会話が弾んだ。

「そういえば、アンタたち」

オリヴィエがデザートを口に運びながら、少年たちに話しかける。

「あぁ？　何だよ」

「最近ずっとルヴァの講義受けてたんでしょ」

「あぁ。それがどうかしたか」

「先週の土の曜日には区切りの試験だったって聞いたけど、成績はどうだったの」

少年たちは顔を見合わせて困ったような笑いを浮かべる。

「え、どうだったの」

「るっせえな。俺は宇宙生成論１００点だったよ！」

ゼフェルが挑むように言い放った。

「へぇ、それはすごいじゃない」

「オリヴィエ様、感心しなくっていいですよ。満点は１００点じゃなかったんですから」

ランディの言葉に、オリヴィエは「なぁんだ」と笑い出し、ゼフェルは「チッ」と舌打ちをした。

「ルヴァ、どんなふうだったか教えてよ。それとも秘密事項？」

「そんなことはありませんよ。お話しましょうか。宇宙生成論と歴代女王史、主要星系比較文化論、亜光速航行理論、それに汎宇宙的進化論の５科目の試験をおこなったんですけどね…」

ルヴァはちらりと少年たちを見る。

「どうしたのさ、ため息なんかついて。ははぁん、３人の成績がよっぽど悪かったってわけだね」

「勝手なこと言うんじゃねーや。俺たちは一生懸命やったんだ」

「そうなんでしょうけれどねぇ…。なんだか、わざとやったとしか思えませんよ、あの点数では」

「何何？　いったいどうしたっての？」

「ゼフェルは全科目同じ失点、ランディは全科目同じ得点、マルセルは全科目、満点のちょうど何割か同じ整数割の得点、しかも合計点は３人とも同じだったんですよ」

「ルヴァ様〜、確かにヘンな結果ですけど、僕たち真面目にやりましたもの。偶然ですよぉ」

「俺も、ちゃんとやりましたよ」

「確かに妙な点数だねぇ。アンタたち、示し合わせてやったんじゃないの」

「んなことねぇって。第一、そんな奇妙な点数の取り方、出来るもんか」

「オリヴィエ、わたくしも、これは偶然そうなったのだと思います。ルヴァ様の試験で、わざとこのような点数を取るのは難しいのではありませんか」

「ま、それもそうだねぇ。…そもそも、それぞれ何点だったわけ？」

「そうですねぇ…」

ルヴァは３人の少年を見回す。

「科目はさっきいいましたとおり、宇宙生成論と歴代女王史、主要星系比較文化論、亜光速航行理論、それに汎宇宙的進化論の５つでした。満点は５つとも違っていて、最低１００点から最高２００点まででした。あぁ、満点の１の位はすべて０でしたよ」

「ふんふん。それで？」

「亜光速航行理論の得点は３人とも同じでしたねぇ。後は…マルセルの宇宙生成論が９６点だったことと、マルセルの汎宇宙的進化論の得点がゼフェルの歴代女王史の得点の３倍だったこと…それでわかると思いますよ」

「え、何？　これって問題なわけ？！」

オリヴィエはぐるりと周りを見回す。

「アンタたち、グルになって私をからかってるんじゃないでしょうね！」

少年たちが声をあげて笑った。

問：５科目それぞれの満点と、３人のそれぞれの得点を答えてください。

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