さあ、第１問です

【№１５５】

Q1

今日も変わらずよく晴れて穏やかな土の曜日、午後も遅くなった頃にオリヴィエは地の館を訪れた。
前後してやってきたリュミエールと一緒にルヴァを訪ねる。
広々としたリビングで、ルヴァは年少守護聖たちとお茶を飲んでいた。

「ルヴァ、もうお勉強会は終わったようだね～」

オリヴィエが声をかけると、ルヴァは振り向いてにっこりと笑った。

「ああ、お２人とも、いらっしゃい。今終わったところですよ。あなた方もどうぞ」

「ありがと」

「失礼いたします、ルヴァ様」

オリヴィエとリュミエールはルヴァに近いソファに腰をおろす。
少年たちはそれぞれに２人に挨拶をして、また茶菓に注意を戻した。

「相変わらず、いい食欲だねえ」

オリヴィエがクスッと笑う。

「頭を使った後はお腹が空きますからね。それだけ頑張って学んでいたということなのでしょう」

リュミエールが微笑む。

「ならいいけどね。ねえ、ルヴァ、私たちにもお茶ちょうだい。茶菓子もね」

オリヴィエに催促されて、ルヴァは笑いながらお茶とお菓子を勧める。

「今日は何習ったの？」

お茶を味わい、お菓子をつまんで一息ついてから、オリヴィエは少年たちに声をかけた。
マルセルが神妙な顔で答える。

「宇宙生成論の初級と論理学概論」です」

「おや、それは大変だったねえ」

「ええ。でも面白いです」

マルセルがにっこり笑う。

「何、いい子ちゃんの答をしてやがる」

ゼフェルがぼそりとつぶやいた。
マルセルは笑いを引っ込めてゼフェルに向き直る。

「どうしてそういうこと言うのさ」

「あんなめんどくせーもんの、どこがおもしれーってんだよ」

「え～、面白かったよ。ゼフェルはそうじゃないの？」

「ああ。ごちゃごちゃ考えるのはめんどーだ」

「ごちゃごちゃって、そんなことなかったよ。ねえ、ランディ」

「ん？　…ごめん、何だった、マルセル」

「もの食ってるときのランディに何か言ってもムダだぜ」

「そうだね。ごめん、ランディ。気にしないで」

「…うん」

ランディはカップのお茶をグッと飲み干すと、皿に並べられたクッキーに手を伸ばした。

「ま、どっちだっていいや。とにかく疲れたってことは確かだ」

「そうだね。僕も疲れちゃった」

ゼフェルとマルセルは、やれやれと顔でうなずき合うと、お茶を飲んだ。
大人たちは、面白そうに少年たちのやり取りを聞いていた。

「よお、オリヴィエ」

不意にゼフェルがオリヴィエの声をかけた。

「何？」

「暇つぶしに問題解いてみねーか？」

「問題？」

「ああ。あんたもちっとは頭使った方がいーだろ？」

「何よ、その失礼な言い方は。でも、まぁ、挑戦されたら受けないわけにはいかないね」

オリヴィエは余裕の様子でフンと笑う。

「で、どんな問題なのさ。言ってごらん」

「ああ。だけど、あんた１人で解けよ。ルヴァの力なんか借りんじゃねーぞ」

「あんたの問題解くのに助けなんていらないよ。さっさと問題を言いな」

ルヴァとリュミエールはおやおやと顔を見合わせる。
ランディとマルセルは心配そうにゼフェルを見ていた。

「んじゃ行くぜ。

俺たちとルヴァの４人で森に行ってどんぐりを８０個拾った。
誰かがちょうど３０個拾ったけど、それは俺じゃねえ。
ランディの拾った数は俺の２倍で、マルセルはランディより７個少なかった。

さあ、誰が何個拾ったか、当ててみな」

ゼフェルはにんまりと笑う。

「簡単だよ、そんなの」

オリヴィエも負けずににやりと笑った。

　　　問：４人がそれぞれ何個拾ったかを当ててください。