では１問目を…

【№１５１】

Q1

「今夜はあなた方３人で同期の飲み会をされるのでしたね」

ルヴァはおっとりと尋ねた。
リュミエールは「はい」とうなずく。

「はい。いつもどおりオスカーの館で一晩中ということになりそうです」

「あなたたち３人は良い飲み仲間ですねえ」

ルヴァは面白そうに笑う。

「ええ。３人で過ごすのはとても楽しいです」

リュミエールもクスッと笑った。
そのままルヴァに近寄ると、ふわりと抱き締めてその耳元にそっとささやく。

「でも、ルヴァ様と一緒に過ごす方が何倍も楽しいですけれどね…」

「リュミエール…」

ルヴァの顔が赤く染まる。
金の曜日、そろそろ暗くなるころのことだった。

夜が更けて、リュミエールはオスカーの館を訪れる。
ルヴァと別れ難くて遅くなってしまった。
オリヴィエはもうとっくにやってきている。

「遅くなってすみません…何をしてるんです？」

「ん？　リュミちゃんが来るまでに、こいつを賭けて勝負してたとこ」

オリヴィエが手にしたカードで指した先には、すんなりとした形のボトルがあった。

「オスカーが最近仕入れた中の一番の逸品だよ」

ソファに腰をおろしたリュミエールに、オリヴィエはグラスを渡した。
オスカーが３人のグラスに酒を満たす。

「じゃ、乾杯しようぜ」

グラスの縁が涼やかな音を立てて、同期の飲み会が始まる。

「それで、勝負はどうなったのです」

軽やかにグラスを空けて、思い出したようにリュミエールが尋ねた。

「うん、先に６勝した方が勝ちってことでやってたんだけど、私が４勝、オスカーが３勝かな」

「決着がつく前にリュミエールが来たから、この勝負はお流れだな。こいつは３人で飲もうぜ」

オスカーがボトルを手にする。

「そうだね。３人で飲もうか。４対３で分けるって手もあると思うけどね」

「４対３？」

「そう。私が４勝でアンタが３勝だから、４対３で分ければいいんじゃない？」

「そういうことか」

「うん、そういうこと。それでいいよね、リュミちゃん」

「え？」

リュミエールは小首を傾げる。

「先に６勝した方が勝ちなんですよね」

「うん。そうだけど」

「ならば、勝つ確率は４対３ではないように思いますが」

「…そうなのかな。オスカー、アンタどう思う」

「俺にはわからん。どっちみち勝負は流れたんだからいいじゃないか。さぁ飲もうぜ」

オスカーはボトルの封を切って栓を抜いた。

問：先に６勝した方が勝ち、という勝負で、現在オリヴィエが４勝、オスカーが３勝しています。
　　この時点で賞品を分配するならば何対何で分けるのがよいでしょうか。
　　１回の対戦で勝つ確率はそれぞれ２分の１だとします。