では第１問を

【№１４９】

Q1

「お茶のお代わりはいかがですか～」

ルヴァの声が穏やかに響く。

「うん、お願い」

「わたくしもいただきます」

それに応じるオリヴィエとリュミエールの声も穏やかに寛いでいる。
いつもながらの平和な土の曜日の午後だった。

「ねえ、ルヴァ」

お茶菓子をつまみながらオリヴィエが話しかけた。

「はい、何です？」

「最近、何か面白い話はなかった？」

「面白い話、ですか」

「うん、何か聞かせてよリュミちゃんも聞きたいよね」

「ええ。ルヴァ様、お願いいたします」

「そうですか…？　じゃあ、何かお話ししましょうか」

ルヴァは少し考えて、「ああ」と顔をあげて微笑んだ。

「そういえば、先日面白いことがありましたよ」

そう言って、コクンと湯飲みのお茶を一口飲む。
オリヴィエとリュミエールは期待に満ちた眼差しでルヴァを見詰めた。
頭の中で話をまとめ終わったルヴァは、ゆっくりと話し始める。

「この間、王立研究員に行ったときのことなんですけれどね、若い研究員４人の研修計画が立てられていたんですよ。
彼らは７つの分野から自由に３つの研修項目を選んだのですけれどね」

ルヴァは面白そうに口元をほころばせる。

「そうしたら、４人のうちどの２人をとっても同じ分野の研修項目が１つだけある、という状態になったんです」

オリヴィエとリュミエールは、何か漠然とした予感を感じながら、神妙な顔で話を聞いていた。

「これからいくつかのヒントを差し上げますから、４人がどの分野を選んだのか当ててみませんか」

言い終えて、ルヴァはクスッと笑う。
オリヴィエとリュミエールは「やっぱりそうきたか」と苦笑を浮かべた。

「ま、半分くらいはそれを期待していたような気もするけれどさ…。いいよ、ルヴァ。見事解いてみせるから、ヒントを言ってよ」

「わたくしも、頑張って解いてみます」

「そうですか。じゃあ、ヒントを言いますね」

ルヴァは楽しそうに口を開いた。

「４人の名前は、仮にアラン、バート、クリス、ドリーとしましょう。ヒントはこうです。

・	・研修項目は、物理、化学、数学、哲学、歴史、文学、芸術の７分野に分かれています。だれも選ばなかった分野はありません。
・	・同じ分野から複数の研修項目を選んだ人はいません。
・	・全員が選んだ分野はありませんが、３人が選んだ分野が１つあります。
・	・１人だけが選んだ分野は３つあります。そのうちの２つは歴史と文学です。
・	・アランは物理と哲学と歴史を選びました。
・	・バートは数学と哲学を選びましたが、芸術は選んでいません。
・	・クリスとドリーは化学を選びました。
・	・クリスは物理を選んでいません。

ヒントはこれだけです。さあ、考えてください」

ルヴァは笑顔でオリヴィエとリュミエールを見詰めた。
オリヴィエとリュミエールは真剣な顔で考え始める。

　　　問：４人がどの分野を選んだのかを答えてください。

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