では第１問を…

【№１３７】

Q1

「あ～今日もいいお天気ですね～っ」

ルヴァはテラスで嬉しそうに深呼吸している。
その様子を、オリヴィエとリュミエールは愛しそうに見詰めていた。
ふと振り返ったルヴァは、２人の視線に気が付いて照れくさそうに微笑んだ。

「そんなところで見ていないで、早く席に着いてください。お茶にしましょう」

「ああ、そうだね」

「ええ、ルヴァ様」

２人は素直にテーブルに着く。
ルヴァは楽しそうにお茶の支度を始めた。

ルヴァがお取り寄せした茶菓子と共にお茶を楽しんでいると、しばらくしてオスカーがやってきた。

「よお、いい天気だな」

「オスカー、いらっしゃい。どうぞ掛けてください。今、お茶を淹れますね」

「ああ…。あ、これ土産」

「ありがとうございます。いつもすみません」

サーモンピンクのバラの花束を受け取って、ルヴァは笑顔で礼を言った。

「オスカー、早く座んな」

オリヴィエが招く。

「今日の茶菓子はなかなかのスグレモノだよぉ」

「聖殿のレディたちの顔触れがだいぶん替わっただろ」

グッとお茶を飲み干して、オスカーが話し出した。

「ああ、そういえば、女官の契約更新期でしたねぇ」

おっとりとルヴァがうなずく。

「で、何？　もう目を付けたコがいるってこと？」

「オスカー、聖地にいらしたばかりの女性を騙したりしないでくださいね」

オリヴィエとリュミエールに立て続けに言われて、オスカーはちょっとムッとする。

「なんだよ、２人とも。俺のこと何だと思ってるんだ」

「日ごろの行動がものを言うんですよ、オスカー」

ルヴァがクスクスと笑う。

「ルヴァまで何を言うんだ…」

オスカーが情けない声でつぶやく。オリヴィエもリュミエールも面白そうに笑っていた。

「まあ冗談は置いといて、わざわざ話題にしたっていうことは何かあったの？」

充分笑った後でオリヴィエが尋ねる。

「ん？　ああ、まあな」

オスカーは言いたかったことを思い出したようにうなずいた。

「昨日、たまたま新人のお嬢ちゃん３人と話す機会があったんだ」

「ふ～ん、『たまたま』ねえ…」

「いちいち突っかかるなよ。でな、お嬢ちゃんたちは３人とも元気いっぱいで、まだ女学生みたいな雰囲気だったんで、年齢を聞いてみたんだが…」

「おや、女性に年齢を聞くものではありませんよ、オスカー」

ルヴァは笑顔で嗜める。

「まあまあ、大目に見てやろうよ、ルヴァ。女性に対しては、オスカーはもう病気みたいなものなんだから」

そう言って、オリヴィエは声をあげて笑った。
オスカーはジロリとオリヴィエを睨むだけで話を続ける。

「お嬢ちゃんたちは『ええ～？』とか言いながら答えてくれた。
お嬢ちゃんたちの名前は、パメラ、ジュリア、アンナで、年齢は１６歳、１７歳、１８歳のどれかで同い年はいない、ということだった」

「何だか、ルヴァが問題出すときみたいな言い方だねえ」

オリヴィエのつぶやきを聞きつけて、オスカーは「そうなんだよ」と大きくうなずいた。

「お嬢ちゃんたちは結託して問題を出してきたんだ。どういうことだと俺は思ったね。ルヴァだけじゃなくお嬢ちゃんやレディたちまで問題を出してくるようになったら、俺はどうすりゃいいんだ」

「どうすりゃいいって、問題を出されたら解いて差し上げればいいじゃありませんか」

涼しい顔でリュミエールが声をかける。
オスカーは大きくため息をついた。

「それができりゃ苦労はしないって…」

「それで、そのお嬢さんたちはどんなふうに問題を出してきたんですか」

楽しそうにルヴァが尋ねる。
オスカーは気を取り直して話を続けた。

「お嬢ちゃんたちはこんなふうに言った。

パメラ『アンナは１８歳です』
ジュリア『私はパメラより年下です』
アンナ『ジュリアは１７歳です』

そうして、『ホントのことを言っているのは１人だけだ』と付け加えたんだが、これでわかるのか」

「わかるのかって、わかるよねえ、ルヴァ」

「ええ、それで充分わかりますよ」

「そうか、わかるのか…」

「あんた、その女のコたちにどう答えてきたの」

「そりゃ、『ああ、それでわかったぜ。ありがとうな、お嬢ちゃん』って言って別れてきたさ」

「見栄っ張りだねえ…」

呆れたようにオリヴィエは肩をすくめる。
ルヴァとリュミエールも苦笑を浮かべて顔を見合わせた。

　　　問：３人の女の子の年齢を当ててください。