【№１３６】


Q1



「新年のお休みはいいよねえ、のんびりしてて」

のどかな声でオリヴィエが言った。
ルヴァもリュミエールも「そうですねえ」と同意する。
新年の祝賀の儀式もその後のパーティーも終わり、今日はもうのんびりとした休日である。
こうして地の館に集まって、いつもの顔触れでいつものようにお茶を飲んでいるにしても、いつもとは違うまったり感があった。

「聖地の時間の流れは特殊ですから単純に外界の暦のように考えることはできませんけれど、聖地に暮らす我々には折々の節目とか区切りとかは必要ですからねえ」

感慨深げにルヴァが語る。

「季節ごとの行事は生活の良いアクセントになります」

「そうだよね～。実際には新年とかお正月とかは聖地では意味のないことかもしれないけれど、私たちには絶対必要だもんね」

オリヴィエが大きくうなずく。

「お正月の休暇がなくっちゃつまんないしさ」

「オリヴィエ、あなたは休暇さえ確保されれば、名目はなんでもいいのではありませんか？」

リュミエールがクスクスと笑う。

「え～、それはないでしょ、リュミちゃん。私は伝統は大切にするヒトなんだからね」

真顔で、オリヴィエは言い切った。

「おや、そうでしたか…？」

笑いをこらえるようにルヴァが言って、一瞬の後、３人とも大笑いになった。




「そういえば、ちょっと面白い話があるんですよ」

ルヴァが言った。

「え、何？何？」

「この間王立図書館に行ったときに聞いたんですけれどね。新年になる前の聖夜のときに、女性スタッフ５人がプレゼントの交換をしたんだそうです。で、そのときの様子を聞かせてくれたんですよ」

ルヴァは楽しそうに話し始めた。

「その方法というのがね、それぞれの名前を書いたカードを箱に入れて１枚ずつ引き、引いたカードに書いてある名前の人に、自分の用意したプレゼントをあげるというやり方だったそうです。もし自分の名前を引いたらやり直しでしたが、それは無かったということでした。
そして、５人の用意したプレゼントは全部違うもので、色も全部違っていました。
さて、次のヒントから、誰が誰に、何色の何をプレゼントしたのか当ててみませんか」

「やっぱり問題になったか」

「年が改まっても、変わりませんね」

オリヴィエとリュミエールは顔を見合わせて笑いあう。

「解いてみますか」

「ええ」

「もちろんだよ。ヒントを言ってよ」

即座に２人が応じたので、ルヴァは嬉しそうな笑顔を浮かべてうなずいた。
その笑顔が本当に嬉しそうだったので、リュミエールもオリヴィエも笑顔になる。　

「じゃあ、ヒントを言いますよ」

ルヴァは頭の中でざっと確認してからゆっくりと話していった。

「先に言っておきましょうか。
５人の名前は、アンナ、タバサ、パメラ、モニカ、リンダ。
プレゼントは、スカーフ、マグカップ、ペンケース、クッション、写真立て、
色は、赤、青、緑、ピンク、黒、です。
ああ、色といっても全体がベタでその色１色、でなくてもいいんですよ。パッと見た感じで一番印象に残る色がそうだというように考えてくださいね。
ではいきますよ。

１）タバサは「リンダの名前を引いた女性」の名前を引きました。
２）パメラはマグカップをプレゼントしました。
３）緑のものをプレゼントしたのはパメラではありません。
４）タバサがもらったのは青いスカーフでした。
５）タバサの名前を引いた人は、黒のモノをもらいました。
６）モニカがもらったのはクッションで、あげたのは写真立てでした。
７）リンダは写真立てをもらっていません。あげたのはピンクのものでした。

ヒントはこれだけです。
さあ、誰が誰に、何色の何をプレゼントしたのか、当ててください」

ルヴァはにっこり笑って２人を見た。
　　問：誰が誰に、何色の何をプレゼントしたのでしょう。


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