Q２


金の曜日の夕方近く、間もなく執務の時間も終わろうという頃、リュミエールは地の執務室を訪れた。

「ルヴァ様、いらっしゃいますか」

「あぁ、リュミエール。散らかってますけれど、どうぞ入ってください」

「ルヴァ様、何をしていらっしゃるんです」

「えぇ、ちょっと探し物をね…」

「お探しのものはこれではありませんか」

リュミエールは鎖の付いたルーペを取り出す。ルヴァがいつも胸に下げているものだ。

「あぁ、それです。リュミエール、あなたどこでそれを」

「ルヴァ様が帰られた後、ソファの下に落ちておりました。すぐにお届けできればよかったのですが、気が付いたのがつい先程だったものですから…。申し訳ありません」

「何をおっしゃるんですかー。見つけてくださってありがとうございます。助かりました」

ルヴァは嬉しそうににっこりと笑った。リュミエールもつられて笑顔となる。



ルヴァの邸でディナーを共にした。
ディナーの後はルヴァの私室でくつろいでお茶を楽しむ。
リュミエールは、ふと思い出したように微笑んだ。

「おや、どうしたのです、リュミエール」

「えぇ、あの昼間ルヴァ様の落し物をお届けいたしましたけれど…」

「えぇ」

「それ以外にも、今週わたくしはやたらとモノを拾ったのです。今考えてみたら、毎日何かしら拾っていたことがわかって面白くなってしまいました」

「そんなにですか」

「はい」

リュミエールは考え考え話し始めた。

「月の曜日に公園でスパナを拾いました…
・フリスビーのディスクを拾ったのは１０時でしたが、それは森の湖ではありませんでした。
・執務室の前で何か拾った次の日には水晶球を拾いましたし…
・聖殿の入り口で何かを拾ったのは１６時でしたが、それは火の曜日ではありませんでした。
・木の曜日の１２時に拾ったものの重さは、水の曜日に拾ったものの重さの１０倍の重さでした。
・スパナを拾ったのは８時ではありませんでした…」

リュミエールはいたずらっぽく笑った。

「さて、ルヴァ様、わたくしがいつの何時にどこで何を拾ったのか、お分かりになりますか」

ルヴァは面白そうに微笑んだ。

「それだけではわかりませんよ。少し確認していいですか」

「はい、ルヴァ様」

「月の曜日から金の曜日まで、毎日一つずつ拾ったのですね」

「えぇ」

「拾った時間は…」

「８時、１０時、１２時、１４時、１６時でした」

「拾った場所と品物は…」

「場所は…森の湖、公園、水の館の前、執務室の前、聖殿の入り口です。
品物は…花の種（１０ｇ）、フリスビーのディスク（１００ｇ）、スパナ（５００ｇ）、短剣（１０００ｇ）、水晶球（２０００ｇ）でした」

「あぁ、なるほど。えぇ、わかりましたよ」

ルヴァはすらすらと解答した。リュミエールがにっこりと笑う。

「さすがですね、ルヴァ様」

リュミエールはティーカップを置くと、ルヴァに近寄ってそっと抱き締める。

「そして、今週の最後に拾ったのはルヴァ様のルーペでした。水の執務室奥のソファの下、１７時です」

「リュミエール…」

二人は顔を見合わせて同時に吹き出した。

問：リュミエールが拾ったモノは何だったでしょう。
　　何曜日の何時にどこで何を拾ったか、を明らかにしてください。


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