リュミエールはソファに腰を下ろす間も惜しんで、読み始める。
ルヴァの几帳面で美しい文字で書かれた手紙は、リュミエールに逢いたくて…と始まっていた。
あなたにお逢いしたくて、突然お邪魔してしまいました。
今日の午後は急遽王立研究院に呼び出され、例の星系の状況を検討していました。
あなたに連絡をすることも出来ませんでしたが、心配をかけはしなかったかと気掛かりです。
さて、その星系ですが、事態が変化して、急ぎ現地へ行ってサクリアの微調整をする必要が出てきました。
検討の結果、私が行くのが最も適切であろうということになりまして…
今夜半過ぎに出発します。
滞在は少し長引きそうなので、出発の前に、あなたにお逢いしたかったのですが…
もうこれ以上は時間の余裕がありません。
しばらくのお別れとなりますが、元気でいてくださいね。
あちらから、また連絡を入れます。
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リュミエールは慌てて時計を見た。
夜半にはまだしばし間がある。
ルヴァの出発に間に合うかも知れない。
至急馬車の用意を命じ、手早く着替えを済ませる。
ルヴァ様…待っていてくださいね…
一目だけでも逢うことが出来れば…リュミエールは馬車を急がせた。
馬車を降りてからは、ただひたすらに走り続けた。
次元回廊に続く廊下に何人かの人影が見える。
研究院の職員に混じって年長守護聖たちの姿があった。
駆け寄りながら、リュミエールは「ルヴァ様!」と声を掛ける。
振り向いた人たちの中に、愛しくてたまらない、優しい笑顔があった…
【 E N D 】
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