ＳｔａｒＤｕｓｔ

満天の星空、色とりどりにきらめく星々・・・・

何千、何万年と変わりなく見えている星空は聖地でも同じである。

「なールヴァ先生よー・・なーんでオレらはこんな所で

寝っころがっていなきゃいけないんだー？」

しかも寒いしよーとゼフェルは不満そうにぼやいていた。

「まあまあ・・もうすぐ始まるはずですから・・・」

ルヴァはウキウキした気持を抑えながら、とても楽しそうに言った。

今日は年に一度の天体ショーの日で、しかも数百年に一度の

大規模な物らしい・・・と言うことで、守護聖全員半ば無理やり

ルヴァに外へと連れ出されていた。

皆、空を眺めながらゼフェルと同じ様な事を思っていたが

それでもその場を動こうとしないのは、美しい星空と

数百年に一度の機会を逃してなる物かという好奇心からだったかも

知れない。

「そう言えば・・皆さん・・一つ面白いことを考えたのですが・・

あー・・あのー・・今、我々がいる宇宙が出来る前は、どんな宇宙だった

と思いますか？一説には大爆発で出来たとも言われていますが・・

もし、そうだとしら今その時、爆発で無くなった宇宙の残骸を見ているのかもしれませんねー」

ルヴァは悲しげな、でも何処か懐かしむ様な感じで話していた。

「あっ・・ルヴァ・・始まったみたいだよ」

とオリヴィエの声と同時に星の砂粒のように、雨のように

頭上へと降り注ぎ始めた。

月明かりならぬ、星明かりに皆息をのんでいたが、ポツリとマルセルが

呟いた・・。

「空が・・・空が泣いているみたい・・」

「・・・・星は誰かが死を迎えたときに流れる・・・

マルセルの言うことはあながちウソとは言えぬな・・だが・・」

細く笑いながらクラヴィスは言ったが、マルセルを見てこう付け加えた・・。

「だが、星が流れるのは同時に誰かが生まれ変わった証だとも言われている・・」

そう言うと、また空を見上げてそれっきり言葉を出すことはなかった。

「生まれ変わった証・・・か・・」

マルセルは少し嬉しそうに言った。

それから天体ショーが終わるまでの間、それぞれの思いを胸に

星空を眺めていた・・・。

天体ショーが終わり、それぞれの私邸へと引き上げて行く中

リュミエールはルヴァの私邸へと向かっていた。

「あーリュミエールではないですか・・・体が冷えますよー

さあ・・どうぞ入って下さいな」

御茶でも出しますよと言って、リュミエールを招き入れた。

「それにしてもすごかったですねー・・いい研究になりました」

ルヴァは興奮目やらぬ様に言った。

「・・・・」

「リュミエール？どうかしましたか？元気がないようですが？」

ルヴァは御茶を差し出しながら声を掛けたが、それでもまだ

俯いているリュミエールにもう一度、どうしましたか？

と聞いてみた。

「ルヴァ様・・私は今日の星空がとても恐ろしく感じました・・・

ルヴァ様がどこか遠いところへ行ってしまうような・・消えてしまうような・・

そんな感じがいたしました」

「あ・・あの・・人のことをそんな風に言わないで下さい・・」

と、ルヴァは苦笑いを浮かべて言った。

「リュミエール・・私もあなたと同じ様なことを考えていたと言ったらどうしますか？」

その言葉にハッと顔を上げたリュミエールは、何時ものように微笑んでいる

ルヴァを見て複雑な表情を浮かべていた。

「あなたが居なくなったらどうしよう・・会えなくなったらどうしよう

そんなことばかり考えていました・・。

あぁ・・でも星はとっても綺麗で感動したんですけどねー

落ち着いたらそんなことばかり頭に浮かんでしまって・・」

だから、お相子ですと言って、にっこりと笑った。

「あ・・あの・・ルヴァ様？・・何時か私の産まれた星にお連れしてもよろしいでしょうか？」

リュミエールは少しためらうように言った。

「私の星では、星の流れる日に告白して結ばれた恋人同士は生涯・・

産まれ変わっても結ばれる事が出来ると言い伝えられています・・」

「・・・・」

ルヴァがないていることに気は付いたリュミエールは慌てて

「ルヴァ様？私・・何か変な事言いましたか？」

と聞いた。

「いいえ・・そんなことはありません」

凄くうれしいです・・有難う・・

ほとんど声に出すことができなかったが、確かに声は届き

何時の間にかルヴァは、リュミエールに抱きしめられていて

それさえも嬉しいルヴァは、静かにないた・・。

「必ずお連れいたします・・・必ず・・」

いま、二人の幸せを心から願う・・

「水×地愛好家同好会」の会員りさこ様からのイタダキモノです。
流星群ってなにか心騒がせる天体ショーですよね。
しし座流星群を見るために寒い中外で立っていたのを思い出します。
きれいで、しみじみしたお話を、ありがとうございました。