雨は静かに降り続いている。 しっとりと濡れいつもより深い色合いを見せる青緑の前髪を伝い雨が一滴ルヴァの頬に落ちた。 頬を伝う水は涙のようにも見え、雨に包まれ喜んでいるルヴァの表情と相まってリュミエールに奇妙な嫉妬心すら起こさせた。 （貴方が泣いていいのは、わたくしの腕の中でだけなのですよ） 流れる水を拭い取ろうと伸ばしたリュミエールの指がルヴァの頬に触れた。 薄墨色の雲の間から薄日がさし細かな雨粒が光の幅だけ浮き上がる。 光の雨に包まれたルヴァの身体は驚くほど冷えていた。 薄いコートを染み通った雨はシャツまで濡らし、体に張り付き肌の色まで透けて見える。 鎖骨の辺り、シャツ越しでもわかる赤い色は昨夜の情熱の名残り。 「ルヴァ様、お寒くはないですか」 ルヴァは年下の恋人の腕に包みこまれ、耳朶に囁かれた言葉に胸苦しいほどの陶酔感を覚え答える。 「寒くは無いですけど…リュミエールは暖かくて気持ちがいいです」 「それでは、もう少しこうしていましょうね」 絹糸の雨が木々の葉を打つ音より微かに、甘く熱い吐息がルヴァの唇から零れ落ちた。 ｂｙ カプ様（２００３．７．１６） |
「雨の日に…」をＵＰした折りに、掲示板に書き込んでくださったものです。
そのまま流してしまうのが惜しかったので、お願いしてＵＰさせていただきました。
雨に濡れたルヴァ様が色っぽいです。
リュミエール様の愛情（煩悩？）がひしひしと感じられます(笑)
自分が書いたものより何倍もドキドキしました。
こんなステキなものがいただけて、「雨の日に…」を書いてよかったなぁ…と思います（＾＾）
カプ様、ありがとうございました。
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