では第２問です

「さて、と…」ゼフェルはカップをカタンと皿に戻す。「休日もあと僅かだ。俺ンち行ってゲームでもしねーか」視線を送られたマルセルとランディは「そうだね」と同意した。「おや、もう帰っちゃうの」「ああ。いつまでも年寄りに付き合って茶ァ飲んでるわけにゃいかねーからな」「自分から来といてよく言うねぇ」オリヴィエが笑うと、ゼフェルはムッとして何か言い返そうとした。ゼフェルが何か言う前に、リュミエールが「そうですね」と微笑む。「そうですね。宿泊研修で疲れたでしょうから、好きなことで気分転換をすることもいいでしょうね」「あ、ああ…その通りだぜ」ゼフェルが気圧されるようにつぶやく。リュミエールはにっこりと笑った。ゼフェルの様子を見て、マルセルもクスッと笑った。「じゃあ、行こうよ、ゼフェル。僕、今日は負けないからね」「はん？　生意気言ってんじゃねーよ。俺の圧勝に決まってんじゃん」元気を取り戻してゼフェルが笑う。「俺だって負けないぞ」ランディの言葉に、ゼフェルは「ハッ」という笑いで答える。「バカ言ってんじゃねーや」「どういう意味だよ」「もう、ゼフェルもランディも…。そんなことより早く行こうよ」「おう、そうだな」３人はガタガタッと席を立ち、辞去の挨拶をして出ていこうとした。「あ～、あの…あなたたち…」苦笑を浮かべてルヴァが後ろから声を掛ける。「遊ぶのはいいですけど、研修で学んできたことは、ちゃんと復讐してくださいね」「は～い」と『良いお返事』を残して、少年たちは立ち去った。「見事に気の無い返事だねぇ」オリヴィエが言って、３人の大人は声をあげて笑った。少年たちが帰って、また静かな時間が戻ってくる。風はそろそろ夕方の風に変わろうとしていた。「ねぇ、ルヴァ」「なんです、オリヴィエ」「も、時間も遅いしさ、お茶やめてアルコールにしない？」「え、そうですね…どうしましょうか」ルヴァはリュミエールを見る。リュミエールはふわりと笑った。「ええ、たまにはお酒もよろしいでしょうね」「そうですか。じゃあ、そうしましょうか」「ルヴァったら、ホントにリュミちゃんの言うことは素直に聞くねぇ」オリヴィエが面白そうに笑う。ルヴァは「あ…」と顔を赤くした。室内に移って、酒になった。「食事の前ですから、そんなに飲んじゃダメですよ」心配げにルヴァが言うと、オリヴィエは「ああ、わかってるって」とウインクした。「ルヴァ、邪魔するぞ。…おや、珍しいな。茶じゃなくて酒か」分厚いファイルを手にやってきたオスカーが、場の様子を見てニヤリと笑う。「いいところに来たな。俺にも１杯頼む」嬉しそうにソファに掛けるオスカーに、リュミエールがグラスを手渡す。「ほら」とオリヴィエが注いでやった。「オスカー、何かご用があったんじゃありませんか」オスカーがテーブルに置いたファイルに目を遣って、ルヴァが尋ねる。「あ？　ああ、そうだった。ジュリアス様からこれをことづかったんだ」「おや、日の曜日だってのに、相変わらずジュリアスのパシリやってんだねぇ」からかうようなオリヴィエの言葉を無視して、オスカーはファイルをルヴァに渡す。手渡されたファイルを開き、ルヴァはすぐに中身に没頭していった。「ところでさ、オスカー、あんた先週はほとんど聖地にいなかったじゃない」ふと思い出したようにオリヴィエが言った。「ああ。ずっと外に出ていたからな」「ずいぶん大変なお仕事だったようですね」リュミエールがいたわるように言う。オスカーは「ああ」とうなずいて笑った。「長かったな。あっちこっち行ったし」「長かったってどのくらい？」「現地の時間で１５週間だな」「へえ～、そりゃ長いね」「ああ。で、その間に５つの星系を回ったんだ。それも行ったり来たりが多くてな、忙しかった…」「そりゃお疲れ様だったね」オスカーがグッと一息に飲み干したグラスに、オリヴィエはまたボトルから注いでやる。「そういえば、わたくしも同じような視察に行ったことがあります…」思い出したようにリュミエールが言った。「１５週間に５つの星系…　行ったり来たりではなく、１つの星系には１度しか行きませんでしたが」「おや…」オリヴィエとオスカーがリュミエールを見る。「そんなことがあったんだ。知らなかったな。詳しく聞かせてよ」「ええ」リュミエールはちらりとルヴァに視線を走らせる。ルヴァはまだファイルの中身を検討し続けていた。「それではお話しましょうか。今言いましたように、５つの星系を１度ずつ訪れましたが、滞在した期間は全部違っていました。滞在はすべて週単位で、星系間の移動は週末に行われました」オリヴィエとオスカーは、グラスを口に運ぶのも忘れて聞いていた。「最初に訪れた星系に滞在していた期間は、マリオン星系に滞在した期間よりも１週間長く、６週目から滞在した星系よりも２週間長かったです。アレス星系には２週間滞在しましたが、１０週目にはそこにはいませんでした。４週目にはキリエ星系にいました。ラムダ星系からバルマー星系に移動しました」リュミエールは言葉を切って２人を見、にっこり笑った。「さて、わたくしがいつどこにいたか、おわかりになりますか」思わずズルッと体勢を崩したオリヴィエは「リュミちゃん～」と声をあげる。「何よ、結局はそうなるわけ？　ルヴァと一緒じゃない」オリヴィエの言葉にも、リュミエールは微笑んだままだった。ルヴァはまだファイルに取り組んでいる。オリヴィエはフッとため息を漏らして肩をすくめた。「いいよ。解いてみせようじゃない。もう一回データ言って」「ええ」リュミエールはもう１度繰り返してデータを話した。
	問：リュミエールが何週目から何週目までどこの星系にいたのかを答えてください。
	おわかりになった方は、下のアイコンから解答ページにお進みください。今回の解き応えはいかがでしたか。