ルヴァの計算は正しかった。聖地に戻ると夕方をいくらか過ぎた頃、いったん帰って着替えてパーティー会場の聖殿広間に行くのにちょうどギリギリという時刻だった。二人はそれぞれの私邸に急ぐ。
パーティーは予定どおりに始まった。ディアの配慮の行き届いた、リュミエールに相応しい穏やかな居心地の良いパーティーだった。
リュミエールは向こうでマルセルやランディと楽しそうに話している。その様子をほのぼのと眺めていたルヴァは突然腕を捉まれてテラスに引き出された。
「ル〜ヴァ〜〜！さぁ、きりきり白状してもらおうか」
「オリヴィエ･･･あ、あのぉ･･･なんのことでしょうか････」
「とぼけないで！あんた、パーティーが始まるまでリュミちゃん隠してたでしょ！お陰でリュミちゃんにメイクも出来なかったし、この日のために用意したドレスも着せられなかったのよ！この落とし前はどう付けてくれるの？」
「そんな･･･にらまないでくださいよぉ〜。いいじゃないですか、飾り立てたりしなくてもリュミエールはあんなに綺麗なんですから････」
「そりゃまあそうだけどさ････」
オリヴィエは部屋の中を見透かしてリュミエールを見詰める。
「なんか････リュミちゃんってば、いつもに増してキレイだわね。幸せそうに輝いてる････」
「えぇ、そうですねぇ」
「ルヴァ、あんた、何したの？」
「え、わ、私は何もしてませんよ････」
「怪しいなぁ････」
ルヴァをじろじろと眺めていたオリヴィエが、ふっと一つ息をつくとにっこりと笑った。
「ま、いっか。リュミちゃんがあんなに楽しそうにしてるのに、腹立ててるのも野暮だしね。さ、ルヴァ、リュミちゃんとこ行っておしゃべりしようよ」
「あ、あぁ･･･はい、そうですね」
歩き出したルヴァの耳元にオリヴィエはささやいた。
「ルヴァ、一つ貸し！いつかメイクさせてね」
振り向いたルヴァに、オリヴィエは最高に華やかな微笑を向けた････。
って、こうして改めて見てみるとカットして正解だったなとつくづく思いますね〜(笑）
最初の構想では、もっとドタバタに近い大騒ぎが全守護聖巻き込んで展開するはずでしたが、
本編があぁいう形で収まったので、さすがにそれは無しです。
でもオリヴィエは二人の理解者というか、保護者のような存在なので、やっぱり登場させたかった・・・・（＾＾）
というわけで、このようなものを付け足しましたのですが(＾＾；
笑って許容していただけますように・・・・