被害者と目撃者、協力者、そして報告者の４人がいて、
それぞれの発言で、被害者に関する発言はウソで、それ以外のヒトに関する発言は真実、ということでしたね。
そして、発言の内容はこんなふうでした。
クラヴィス『マルセルは報告者ではないな』
マルセル『オスカー様は目撃者じゃありません』
ランディ『クラヴィス様は協力者じゃありません』
オスカー『マルセルは目撃者じゃないぜ』
どこから考えてもいいんですが、最初のクラヴィスの発言から始めてみましょう。
もし、マルセルが被害者だとすると、「マルセルは報告者ではない」というクラヴィスの発言は正しいことになります。
そうすると、被害者について真実を述べたことになり、条件に合いません。
つまり、マルセルは被害者ではないことがわかります。
同様に、「目撃者ではない」と言われたオスカー、「協力者ではない」と言われたクラヴィスも被害者ではありません。
ということは…
被害者が誰なのか、もうおわかりですね。
４人の中でマルセルでもオスカーでもクラヴィスでもない人、ええ、ランディが被害者です。
え、なんです？ その辺がよくわからない…ですか？
では、説明しましょうか。
ここで使うのは、「被害者に関する発言はウソ」という条件です。
次の４通りが考えられます。
１．被害者のことを「彼は被害者である」と言えば真実です。
２．被害者のことを「彼は被害者ではない」と言えばウソです。
３．被害者のことを「彼は報告者（でも何でも、とにかく被害者以外のもの）である」といえばウソです。
４．被害者のことを「彼は報告者（でも何でも、とにかく被害者以外のもの）ではない」と言えば真実です。
よろしいですか？
では改めて４人の発言を見てください。
どの発言もみな（４）のタイプの発言だということがわかりますか？
ということで、４人の発言は、被害者について言っているのだとしたら、真実になってしまうのです。
これでおわかりですか？
では次にいきましょう。
４人の発言は、すべて被害者に関する発言ではない、ということはつまりすべて「真実」です。
では、マルセルは何に当たるか、わかりますか？
マルセルは被害者ではありません。
クラヴィスの発言からマルセルは報告者ではありません。
オスカーの発言からマルセルは目撃者ではありません。
つまり、マルセルは「協力者」ということになります。
残ったのは「目撃者」と「報告者」、そしてクラヴィスとオスカーですが、
マルセルがオスカーは「目撃者」ではないと言っていますから、これで４人すべてがわかりましたね。
ではまとめておきましょう。
ランディ…被害者
マルセル…協力者
オスカー…報告者
クラヴィス…目撃者 です。
それにしても、ランディはたいへんな目に合いましたね。
A２
では第２問を説明しましょうか。
実はこれ、古典的なパズルなんですけどね。
暗闇の中で何が起こっていたかということですが、３人の思っていることを吟味してみましょう。
中年の男性『なんでこの若造の代わりに俺が殴られるんだ』
年配の女性『キスされてひっぱたくなんて娘もやるもんだわ』
若い女性『若い私よりママの方がいいなんてやっぱりオジサンだわ。でもひっぱたくなんてママも年甲斐がないわね』
よーく読んでください。
まず、ひっぱたかれたのがこの中年の男性であることはすぐわかりますね。
では、ひっぱたいたのは誰か、わかりますか？
この３人は３人とも自分以外の誰かがひっぱたいたと考えています。
ということで、ひっぱたいたのは残りの１人、若い男性ということになります。
さらに、この３人は３人とも、口付けをしたのもされたのも自分以外の誰かだと考えていますから、
それも、残りの１人、若い男性がしたことになります。
つまり、若い男性が、自分の手の甲かどこかに音を立てて口付けをして、隣の中年の男性をひっぱたいた、ということです。
暗闇の中で起こった出来事というのは、こういうことだったのですねぇ〜。
え？
その青年はなぜそんなことをしたのか、ですか？
さぁ…そこまでは私にもわかりません。
何か恨みでもあったのか、それとも単なる冗談なのか…どうなのでしょうね。
え〜と、解答解説はこんなところですが、よろしいでしょうか？
はい、ルヴァ様ありがとうございました。
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次回、第５３回の問題編は、５月２８日の夜中頃になる予定です。
（当初の予定よりやや早くなりました）
