膝枕なんて…キャッ(笑）

「で、ルヴァ様？いったい何日寝ておられないのですか？」

「あーですからね？何度も言っているように、毎日きちんと寝ていましたよ？」

「そうですか・・では、何故立ったまま寝ておられたのか

キッチリ説明して下さいますか？」

リュミエールは、壁際まで追い込んだルヴァを問い詰めていた。

ここ数日、辺境の惑星で重大な問題が起こり、ルヴァはその対応に追われていて

そんなルヴァを見かね、何か自分にも手伝えることは無いかと思い

足を運んだ結果、目にした光景は立ったまま、なおかつ、本を持ったまま

寝ているルヴァの姿だった。

始めは何かを考えているのかと思い、声をかけずにお茶の準備をしていたのだが

気持ちよさそうな寝息が聞こえてくるとリュミエールは

眉をしかめ、試しに机をトントンと叩いてみた。

それでも、何の反応も示さないルヴァの耳元で今度は囁いてみるが

反応を示すどころか、リュミエールにもたれ掛かり、甘えたような仕草を見せる始末・・・。

最終的にリュミエールは、眠ったままのルヴァを

強引に壁際まで追いやり、もう一度強くルヴァの名前を呼び

ようやく、目覚めたわけで・・・・

「いいですか？ルヴァ様・・此れから直ぐに寝て下さい

明日、お迎えに上がりますので・・」

「あ・・・あの・ちょ・・・」

リュミエールはそれだけ言うと、ルヴァを無理やり

寝室へと押し込み、そのまま館を出て行ってしまった。

「ルヴァ様・・いらっしゃいますか？ルヴァ様？」

リュミエールは約束通り、翌朝ルヴァの館へと行くと

流石に寝てはいないものの、昨日と同じような光景を目にして目眩を覚えた。

「・・・・・」

「・・・あ・・あのですね・・・これは・・・」

言葉を濁しているルヴァをよそに、冷たい眼差しを向けている

リュミエールは、静かにルヴァの元まで来ると、強引に腕をつかみ

外へと連れ出した。

リュミエールが連れ出したのは、とても静かで幻想的な森の中だった。

周りは、樹木で生い茂り、ちらほらとルヴァでさえ見たことのない様な花も咲いていた。

暫く歩いていくと、一部だけスポットライトを当てたかのように日の光が差し込んでいる所があり

リュミエールはそこに腰をおろすと、ルヴァを隣へ座らせると・・・

「？？！！」

急に体を倒されたルヴァは、反動でリュミエールの膝の上に頭を乗せる形になってしまった。

いわゆる、膝枕と言うやつである。

ルヴァはスミマセンと言って慌てて起き上がろうとしたが、リュミエールによって阻止されて

しまった。

「あーあの・・・リュミエール？」

リュミエールは、ただ優しく微笑むだけで何も言おうとはしなかった。

其れから暫くの間、２人の間には心地よい沈黙が流れていたが

「リュミエール・・今日は本当に有り難う・・」

ルヴァはその言葉を最後に、微睡みへと落ちていった。

「どういたしまして・・また私と来て下さいね」

リュミエールはそっと優しく、ルヴァの頬をなでると

自分も微睡みへと落ちていった・・。

「あ～～～～～何て事・・・・大変な事実に気が付きましたよ～

リュミエール・・起きて下さい・・リュミエール！！

すぐに館へ戻って調査しなければ・・」

数時間後、久々にたっぷりと睡眠をとったルヴァは、パタパタと

小走りに去っていくと思いきや、未だ状況が飲み込めていない

リュミエールの所へ小走りに戻ってくると、そっとキスをした。

呆気にとられているリュミエールを残し、再び館へと戻る

ルヴァの後ろ姿を眺めながら、触れるようなキスをされた唇に指を当て

幸せそうに微笑んでいるリュミエールの姿があった。